【専門家解説】療育は障害児だけのものじゃない?!すべての子どもの発達を支える療育の育児ポイント

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園に行き始めたり、子供の検診の時に「療育」という言葉を聞いたことはありませんか?

出生率は低いものの、療育を受ける子供が年々増えているようです。

昭和・平成・令和では社会の環境が違ってきています。

そこで、療育を受ける要因は社会環境が整っているからなのか、現代だからなのでしょうか?

子供の療育について、現役の支援員の方にインタビューをしたことをまとめてみました。

療育ってなに?

そもそも療育とは何でしょうか?

療育の「療」を見ると「治療?矯正?」みたいなイメージがありますが・・・

療育のイメージと定義

皆さんは「療育」と聞くと、どんなイメージがありますか?

障害を持っている子のイメージ?治療が必要なイメージ?

療育の定義を見ていきましょう。

~療育の定義~
療育とは、障害のある子供が身体的・精神的機能を発達させ、自立した生活を送れるようになる支援や取組のこと。

「療」とは「治す」「癒す」という意味があります。

「治す+育む=療育」つまり、子供の発達をサポートして発達を促してあげましょうということだそうです。

療育は「治療」や「矯正」ではなく、できなかったことができるようになる働きかけをするということです。

イメージとしては、「苦手なこと・できない事」を子供の発達の平均値まで持ってくる感じです。

障害を持っている子だけが受けるものではない

地域や県で異なりはありますが、療育を受ける子で「知的障害・学習障害・注意欠陥多動性障害」

といった障害を持っている子が療育を受ける数は、そんなに多くないようです。

児童発達支援施設で発達のトレーニングを受けている子の1%あるかないかぐらいだそうです。

なぜなら、指導方法が違うため、「知的障害・学習障害・注意欠陥多動性障害」などを持っている子供は、

そもそも支援学級や支援学校に通っているからだそうです。

なので児童発達支援施設でトレーニングしている子供たちは、いたって普通の子供たちが多いそうです。

療育は子供の発達と親を支えてくれている

療育は子供の発達をサポートするだけではありません。

施設によって異なりますが、「家庭で親はどのように教えればいいのか」までを考えてくれます。

また、個々で発達の計画を見てくれるので、なにをどのようにするのかを一緒に考えてくれます。

親としては「こんな褒め方があったんだ」「家でも出来そう」といった発見もあります。

「重い荷物を持つ」「4歳でもハイハイしてみる」だけでも、子供の発達を促すものです。

何気ない動きも、子供の発達にとっては良い運動になります。

現代だから療育を受ける子が多いの?

何でもそろっている現代ですが、年々多くなってるのは「現代だから」なのでしょうか?

子供は減っているが受ける子は多い

子供の年間の出生率は年々減少傾向です。

ですが支援員の方曰く、年々支援を受ける子は増えているのだそうです。

子供が減っていれば、おのずと療育へ来る子も減っていくはずです。

しかし、年々わずかですが増えていっているそうです。

厚生労働省が出しているデータが無く、あくまでも支援員の肌感覚だそうです。

昔は見えていなかっただけの可能性

1948年に高木憲次氏という方が提唱したのが始めです。

身体の障害がある方に向けた者でした。

1973年には療育手帳制度が開始され、知的障害の持っている方に一貫して相談ができるようになりました。

高木憲次氏に関してはこちらから。

60代~70代の団塊の世代が子供の頃、お友達が何か忘れ物などをすると「忘れ物が多い子」

なかなか静かにしない子を「騒がしい子」というだけで済んでいました。

平成・令和になって「大人の発達障害」という言葉も普及し始めました。

これらは、「今までは目に見えなかった」「研究が進んでいなかった」だけであって、

人それぞれ障害を抱えていたということです。

早期療育をすることで、「大人の発達障害」を引き起こさないということです。

世代と共に育児が変わってきている

昭和の時代は、「社会全体で子供を育てる」が普通でした。

子供1人で遊びに出かけても、近所の人が必ず見守ってくれていました。

しかし、平成・令和は子供1人で出かけるのも安心できない社会。

都会では、見ず知らずのおばあさんに「赤ちゃんかわいいね」と言われると「えっつ?」とリアクションしてしまう母親。

個々で生活を成り立たせたことによって、子育て世帯と社会がつながっていない状況です。

現代の育児は、個々で子供を育てる習慣になってしまっているということです。

現代はいろんなものが整いすぎている?

環境や認識が変化している?

育児に関する沢山の便利グッズや、私生活での機械類の充実など、物に恵まれている現代。

砂利や砂だった道がコンクリートに変化。山遊び川遊びから公園遊びに変化。

電車に乗る際の切符もデジタル化。買い物の決済も電子決済。

道路にある縁石も子供にとっては平均台です。

ですが今は危険という認識なので、平均台をわざわざ用意して施設などで遊びますよね。

大人にとっては便利な時代ですが、子供にとっては日常的なことの体験は大切なものです。

子供の日常的体験が変わってきます。

アナログが良いというわけではない

変化が悪いというわけではありません。

よく「昔のほうが良かった」などいろんな面で年長者に言われることはありませんか?

私はよく「昔のほうが育児しやすいはず」と母に言われます。

アナログが全ていいわけではありません。

識字能力でいえば、文字の認識はできるが書くことが苦手な人にとっては、

スマホやタブレットは指一本で文字を表示できるので、助かるものです。

全てどんなものでも「使い方・活用の仕方」これ次第で変わってきます。

家庭環境の要因はある?

共働きが当たり前の時代

専業主婦で子供とずっと過ごすのは、なかなか現代社会では難しい時代です。

専業主婦であれば、子供と一緒に家庭での体験として「お手伝い」や「おでかけ」でいろんな体験ができます。

お皿を運ぶお手伝いも、子供にとっては良い体験です。

バランス感覚を覚えさせるのに役立ちます。

重い荷物を持つことも体験の1つです。

どの位の力加減だと持てるのか、どんな時に力を弱めるのかなどの体験にもなります。

このような育児をするには、専業主婦でないと教えることは、難しいのではないかなと思います。

習い事だけでは発達は促せない

子供の発達で、たとえば「じっと座る」や「力を調整する」などの感覚的なものなどは、

運動系や文系の習い事だけでは、発達はうながせません。

例えば「じっと座ることができないから茶道や剣道をさせる」では、

子供にかえってストレスを与えるかもしれません。

力加減を教えるのに「柔道をする」になると、子供が怖がってしまう可能性もあります。

療育は子供に合わせたプログラムを「静・動」の繰り返しで教えていきます。

時間もそんなに長くなく、「色塗りや点繋ぎ(静)30分+トランポリンやブランコ(動)30分」など、

子供にとって楽しいことから教えていきます。

習い事を否定するわけではありません。

子供に合わせた発達を促すために利用することがおすすめです。

まとめ:療育は全ての子供のためにある

療育は障害を持っている子だけのものではありません。

現代社会では、なかなか教える時間が無いため、いろんなことを補ってくれる存在です。

「静かにする」「フラフラしない」など感覚的な物を教えるには、親にとっても難しいことです。

教えている時に怒ってしまい、ストレスを抱える前に、市区町村の保健師や施設に問い合わせしてみましょう!

子供がスムーズに就学できるように、子供を一緒に応援しましょう!

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世界中のすくすく育つ子供たちに乾杯!

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